四万十は今日も一日降ったり止んだり。どうもはっきりしない天気ですが、台風だから仕方ないですね。子供たちは家でごろごろ、妻は日課の玄米パン作り、私は大家のYさんに頼まれた畦の草刈りをして過ごしました。
今日は、昨日に引き続き植物のはなしを。
日本全国、荒れたところならば何処にでもある草ですが、秋の七草の一つでもある草、それが葛(くず)です。
花の形を見ただけで豆科と分かりますが、香りも同じく豆科の藤に似た甘酸っぱい臭い。
葛の花 にほひの風を 過ぎて知る 篠原 梵
確かにこの花の匂いでハッとすることありますよね。
「あれっ、何か甘酸っぱい匂いがする。さてはクチメ(マムシ)か?」と思うとこの花だったりします。この花、藤やアカシアの花と同じく、天ぷらなどにして食べられますが、花を陰干しして酒に混ぜて飲むと悪酔いしないとも言います。
この辺りでは、「葛の花が咲くとヅガニが川を下る」といって、これからが蟹漁の本番。特に、こんな風に雨が降って増水すると、沢という沢からヅガニが這い出してきて、海へ向かって一斉に下り出します。海へ下るのは産卵のため。
ヅガニを肴に、葛酒で一杯やりたいもんです。
葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。
この山道を行きし人あり 釈迢空
9月19日 今日の稲株
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