つまよぶこえ
2012-10-03


ここのところ毎日、夕方から朝にかけてピィーピィーと鳴く声が聞こえます。鹿です。今年は今まで聞こえなかった方角から声がします。うちの前の山の方。嫌な予感・・・。

 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 
                   こゑ聞くときぞ 秋はかなしき 

古今集にある詠み人知らずの歌ですが、鹿に作物を荒らされる農民の気持ちを詠ってるのかもとすら思います。


鹿は昔々から農作物に悪さするものでした。
『豊後風土記』にこんな話があります。

頸峰
この峰の下に田圃があった。もとは宅田といった。
この田の苗を鹿が来て食べてしまった。
田圃のおやじが柵を作ったら、鹿がまた来て柵の間から首を突っ込んでまた苗を食う。そこを捕まえて首を切ろうとしたら鹿がこんなことをいった。
「許してください。孫子の代に至るまで、決して決して苗は食べません。約束します。」
不思議に思い、またちょっと怖くもなって、放してやった。
この時からこの田圃の苗は鹿に食べられることがなくなり、この田を「頸田」と呼ぶようになった。
そこで、峰の名前も頸峰というようになった。

頸峰の地名由来譚(なぜその名が付いたかを説明する話)で、鹿が柵に頸を突っ込んだからか、あるいは頸を切るのを許されたからその名が付いたか、どちらかは判然とはしませんが、ともかくやっぱり鹿は昔から農作物を食べていたことが分かります。

 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の ・・・・

やっぱり「またやられる」っていう農民の気持ちを代弁したんじゃないかなぁ。

ちがうだろうね。

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